防水層の点検は危険を伴う為誰にでもお勧めすることは出来ませんが、比較的安全な環境の場合には半年に1回程度の定期な点検やドレン廻りの清掃をお勧めします。その都度屋上の劣化の進行を把握し、漏水に至る前の適切な処置(部分補修或いは全面改修)の判断が必要となります。
しかし、専門知識のない方にとっては何をどのように判断すれば良いか分からないのが実情と思います。そこで、今回は典型的な劣化の状況と判断のポイントを上げ、一つの目安として頂ければお役に立つと思います。
前提条件としての既存の防水層は以下の通りです。
● 築年数・・・ 15年~25年程度
● 防水仕様・・・ アスファルト露出防水層(全面改修は行っていない)
● 改修状況・・・現在漏水はないが部分補修(漏水による)1回程度
確認の為のポイント箇所
① 平場・立上り
アスファルト防水層の亀裂や膨れ及びシートジョイント部の亀裂。
② パラペットの天端及び立上り
ひび割れの有無。
③ 立上り押え金物シールの劣化
シールの亀裂や剥離の有無。
④ 降雨後の水溜りの有無、又は排水不良。
全体の勾配が悪く平場に水が溜まっている。泥の堆積や草木の繁殖による排水不良。ドレン廻りが低くなって排水不良の状況など。
⑤ ドレン目皿を外した状態での漏水の確認。
ドレン目皿を把持してアスファルト防水層との間に亀裂があるかどうかの確認。亀裂と共に防水層の下に水が溜まっている場合は今後漏水の可能性は高くなります。なお、漏水事故の70%程度はドレン廻りの不具合から生じています。

全体の状況

防水層の膨れが顕著になると亀裂や穴開きが生じやすくなります。

ドレン廻りの防水層の亀裂は最も漏水に繋がりやすい。

平場・立上りの入隅部は膨れが発生し易く、その後ジョイント部に亀裂・剥離が生じやすい。

パラペット天端・立上りのひび割れは漏水の原因となります。ひび割れ補修及びウレタン塗膜防水で対応する必要が有ります。

防水層立上り金物押え箇所上のシールは劣化し易く、剥離箇所から雨水が防水層内部に入ると漏水に繋がりやすい。全面改修時にはシールの打ち替え及びアルミ水切りの設置が望ましいです。

陸屋根全体の勾配不良による水溜り。めったに有りませんが新築時の施工不良の可能性が有ります。水が貯まると凍害が発生しやすく、防水層は3年位で劣化が進行します。

排水ドレンの位置が高く排水不良となっています。防水改修時に改修ドレンを設けなかったり、適切な納めをしていない場合に発生し易い。。

日頃の屋上点検を怠っているといつの間にか草木の繁殖が進みます。放置すると根が防水層を突き破ることも有ります。

ドレン目皿を撤去ごの状況。降雨後に観察すると防水層の下に雨水が侵入しています。漏水の繋がりやすいため早急な全面防水改修が必要です。(改修用ドレン設置が必須です)
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