セメント瓦とはモルタルを型に入れて成型した瓦で、表面に顔料を混入したものや全体を着色したもの、ビニール塗料を塗布したものなどがあります。今回の屋根は「モニエル瓦」風のセメント瓦です。
セメント瓦もコロニアル屋根と同様に、年数が経過すると表層が剥離・摩耗してセメントの成分が取れ、その本体の防水性能は低下してゆきます。その為瓦を形成する密度が薄くなり、セメント瓦が水を吸収しないように塗装する必要があります。
今回のセメント瓦は一部の表層が劣化している状況でしたが、塗膜の密着を確実にする為に高圧洗浄機(150~200kgf)でゴミや埃・苔・藻などを除去します。その後ブラシやカップワイヤー(電動工具)で確実に落としますが、凹凸のある瓦はかなりの手間と時間を要する作業となります。
下塗り剤(シーラー)はセメント瓦専用のものを使いますが、ポイントは劣化した瓦を被覆するに十分な量を塗布し、ヌレ感が出るまで塗りこみます(今回は2回塗り)。更にカチオン系の厚膜型エポキシ樹脂を塗布して仕上げます。下塗り剤には指定された塗料を使わないと密着が悪く、塗膜がめくれたりするので注意が必要です。
上塗材は今回溶剤系の専用ウレタン樹脂塗料を2回塗布しましたが、セメント瓦はその形状からローラーを用いるのは困難で、殆どは刷毛を用いて塗装する事になります。
なお、今回は瓦の破損が3ヶ所見られましたが、瓦屋根材商社から急遽部材を取り寄せ交換しました。なお、すでにセメント瓦メーカーでも在庫はなく、たまたまこの商社で在庫があった為調達が出来ました。
施工が完了して竣工検査が無事終了しましたが、大変お褒めのお言葉を頂いた事に苦労も吹き飛び、職人共々大変感謝申し上げます。
① 施工前

② 高圧洗浄

③ ケレン作業

③ セメント瓦要専用シーラー01塗布 2回

④ 専用シーラー02(カチオン系)塗布

⑤ ウレタントップ塗布 1回 (溶剤系)

⑤ ウレタントップ塗布 2回 (溶剤系)

⑥ 施工完了01

⑥ 施工完了02

⑦ 施工完了03

⑧ 施工完了04

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